子宮頸部がんの治療法について

高度な子宮頸部異形成や、子宮頸部がん0期では、子宮摘出は不必要といわれており、Ⅰ期までは将来出産を望む場合や、子宮温存したい場合に子宮を残す事が可能ですが、人によっては検査結果や、医師の判断により残せない場合もあるようです。

最近では、レーザーや高周波の電気メスで円錐切除を行う病院も多くなっています。高熱で凝固しながら組織を焼き切るので、出血も少なく全身麻酔で行いますが、日帰りや翌日には退院できます。費用も安く済み、通常妊娠・出産も問題なくできます。

近年では、20代、30代の出産をする年代に異形成や初期癌が多く発見されており、これから出産を希望する女性などは、医師としっかり相談して治療方法を選択しましょう。

凍結療法

上皮内がんなどの異常組織を冷凍し、破壊するために行われます。この方法は凍結療法ともいわれます。凍結療法は子宮頸部を二酸化炭素や窒素などの液体冷却剤で凍結することにより、子宮頸部異形成病巣を破壊する方法です。

世界では広く行われているようですが、日本ではあまり行われていないようです。しかし、麻酔が不要で、費用負担も少なく外来で処置可能な療法です。専用器具で病変を完全に覆うように子宮頸部に接触させ、4~5mmの凍結層が形成させます。

凍結時間は3分間を1回に行う方法と、3分間を2回計6分間行うやり方があります。凍結療法による合併症は少なく、その効果として86~95%で病変が消失すると報告されています。

高周波療法

凍結療法やレーザー療法と同様に、進行が進んでいない0期や初期段階のがんは、高周波の電磁波によって、切らずにがん細胞を殺してしまうことが可能となります。

高周波には、生体と接触すると発熱する性質があり、これを医学的に応用したもので、異形成の段階でも、高度異形成の人、中等度異形成の状態が半年以上消えない場合は、こうした高周波を使った治療法で治療してしまうこともあります。

子宮は完全に残っているので、完治した後には、妊娠や出産も可能となります。ただし、がんが再発する可能性もあるため、最初の1年間は3カ月に1回、それ以降は6カ月に1回、診察や精密検査を受けることが必要となります。

レーザー治療

細くて強力な光線をレーザー光線といいますが、このレーザー光線をメスがわりに用いて細胞を無血で切ったり、がん病巣の表面を取り除く手術的方法です。

比較的さまざまな手術にも使われていますが、レーザー光線を用いて病変部を焼き、蒸散する方法ですので、出血はほとんど見られず、傷口もきれいです。しかし、レーザー治療の場合、病変がコルポスコープで見える場所にある場合に限られてしまい、見えない部分の病変には適応できないのです。

また、レーザーで焼いてしまうため、術後の病理検査のための組織が残らないので、術後診断ができないことがデメリットといわれています。がんが再発する可能もあるため、定期的な検診が必要となります。

手術療法 円錐切徐術

生検と呼ばれる組織検査を行う目的で子宮頚部および子宮頚管の組織を円錐形に取り除く手術です。病理医が組織内にがん細胞があるか顕微鏡下で調べます。円錐切除術は子宮頚部の状況を診断または治療するために行われますが、この方法は円錐切除診ともいわれます。

治療としておこなわれる場合には、切除する面積が多くなるため、数日間の入院が必要となります。高度異形成の場合や、上皮内がんで病変が広い場合や、Ⅰ期の初期がんで子宮温存を希望される場合に適応となります。

将来子供が欲しいと考えている人には、この手術が行われることになりますが、経過観察はとても重要で、定期的な精密検査や、検診が必要となります。

手術療法 単純子宮全摘出術

単純子宮全摘出術は、子宮頚部を含む子宮全体を取り除く手術です。腟を通じて子宮頚部を含む子宮を摘出する場合は腟式子宮全摘術とも呼ばれます。大きく開腹して、子宮および子宮頚部を摘出する場合は腹式子宮全摘術といいます。

また、小さく開腹して子宮および子宮頚部を摘出する場合は腹腔鏡子宮全摘術といいます。この腹腔鏡子宮全摘術の方が、痛みも少なく、合併症の危険性も少ないですし、入院期間も短くてすむといわれています。

とくに高齢者に多いといわれている、上皮内がんで病変が頸管内の奥にある場合や、子宮筋腫合併であるケース、進行がまだ進んでいないⅠ期の子宮頸部がんなどに適応される手術方法となります。

手術療法 広汎子宮全摘出術

広汎子宮全摘出術とは、子宮頚部、子宮、腟の一部を取り除く手術です。がんの進行状況や場所などによっては、卵巣、卵管および子宮を支えている靭帯や隣接するリンパ節までも取り除くことがあります。

子宮頚部がんのⅠ期でも進行しているものやⅡ期のもの、子宮体がんのⅡ期以降のものに対して行われることが多く、骨盤リンパ節まで切除してしまうのは、通常リンパ節は、小豆のようなかたちをしており、全身に存在して他臓器への転移経路となるので、がんがリンパ節に転移している可能性が高いと考えられるからです。

また、若い女性の子宮頚部がんの場合は、将来のことを考えて、卵巣を残すこともありますが、将来的には経過観察が大変重要となります。

手術療法 骨盤内臓全摘術

がんが子宮頸部ばかりでなく女性性器外に拡がっていると、子宮・膣とともに大腸を始め、下部結腸、直腸、膀胱をも摘出しなければなりません。これを骨盤内臓全摘術といいます。

女性の場合は子宮頚部、腟、卵巣および隣接するリンパ節を摘出します。体内から尿や便を排出するため、ストーマと呼ばれる人口肛門をつくります。この手術のあとで、形成外科医に依頼して人工的な腟をつくる必要がある場合もありますが、最近ではあまり行われなくなってきました。

出血量が多くなる場合には、あらかじめ自己血貯血も行うなどの準備も必要となります。また、術後に発生する下肢のリンパ浮腫に対しての予防と対策なども欠かせないものとなります。

放射線治療

放射線療法は高エネルギーであるX線や、その他の種類の放射線を用いてがん細胞を殺すか、または成長させないでおくといった、がん治療のことです。放射線療法には2つのタイプがあります。

体の外からがんにむけて放射線を照射する外照射の方法と、腟と子宮腔の中に放射性物質を密封した針、シーズ、ワイヤ、カテーテルをがんの内部またはその近くに留置して、直接がんに放射線を照射する内照射という方法があります。

放射線療法の方法はがんの種類や病期によって異なりますが、人間の体にとってはかなりのダメージを受けるといわれています。また、実際には、手術と併用する場合と放射線だけで治療を行っていく場合とがあります。

抗がん剤治療

化学療法は、薬剤を用いてがん細胞を殺すかまたは細胞分裂を停止させることでがん細胞の増殖を停止させるがん治療のことです。口から服用したり、筋肉や静脈内に注入する全身療法では、薬剤は血流を通って全身のがん細胞に影響することができます。

脊柱、臓器、腹部などの体腔に薬剤を直接注入する局所化学療法では、薬剤は主にこれらの領域中にあるがん細胞に影響します。化学療法はがんの種類や病期によって異なります。

子宮頸がんは抗がん剤が効きにくいため、単に抗がん剤を投与するだけではなく、放射線療法と併用したり、抗がん剤を先に投与して頸部周囲のがんを縮小させてから手術で摘出するなどの方法も行われています。

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