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網膜剥離の治療

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網膜のレーザー光凝固

網膜光凝固術のためのレーザー光凝固装置は多くの眼科に設置されている機械です。

レーザー光凝固術は網膜のほかの手術(網膜復位術・硝子体復位術)に比べて負担の少ない、短時間で行われるレーザー治療であるため、多くの眼科で行われています。また新生血管の発生を防ぐなど、網膜剥離の予防術としても行われます。

最近では特にレーザー光凝固術の成功率が高くなり、光凝固治療を施す際の効果を高めるといった研究も進んでいます。

しかし光凝固術はあくまでも網膜の裂孔を埋める、毛細血管をつぶすなどといった治療であるため、病気の進行を防ぐことが目的で行われます。このため光凝固術で視力が維持されることはあっても視力が回復することはありません。

ほとんど痛みがないといわれる光凝固術ですが、人によっては術後、強い頭痛を訴えるなどのケースもあります。予防的措置として光凝固術を行う場合は、病気の経過を十分に把握する必要があるため、その後も定期健診を怠らないようにしたほうがよいでしょう。

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ジアテルミー(網膜電気凝固装置)による網膜凝固

網膜裂孔の凝固術には様々なものがあります。

裂孔や剥離の状態によってどの治療法が最善であるか判断されます。ジアテルミー(網膜電気凝固装置)は1930年に開発された装置です。網膜裂孔の治療のために開発されました。高周波電流が流れる探針によって網膜の裂孔の周りを焼き、凝固させるという施術です。

裂孔の周りを焼いて凝固させる施術そのものは烙刺法という1920年にスイスの眼科医Jules Goninによって開発された、網膜裂孔の治療では最も古い方法です。当時の治癒率は53%で、リスクの大きい治療であったために評価は低かったようです。

しかしこの治療法が確立される以前は、網膜剥離は偶然以外では治癒することのできない、治癒率の大変低い病気でした。

現在でもジアテルミー凝固は行われています。しかしジアテルミー凝固術では眼球を切開するために、網膜に傷ができて視野が欠損したり、術後に眼球壁が縮小するといった後遺症が残るケースがあります。

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冷凍装置を用いた網膜凝固

網膜裂孔の凝固術のひとつである冷凍凝固は冷凍凝固ブローブという装置を用いて裂孔を治療します。

冷凍凝固ブローブをガス(液体窒素)によってマイナス60度から80度くらいの低温にし、裂孔部分を冷凍して炎症を発生させ、裂孔を凝固させるという方法です。

レーザー光凝固術などと併用して行われることがありますが、冷凍凝固は剥離した網膜が接着するまでは入院治療が行われます。通常では網膜が完全に癒着する1週間から3週間程度の入院が必要となります。

現在では網膜裂孔の凝固術ではレーザー光凝固術が最も広く行われていますが、白内障や硝子体出血によって眼底が見えない状態ではレーザー光凝固術は施術ができないため、冷凍凝固術もしくは硝子体手術が行われます。

冷凍凝固術は網膜剥離や網膜剥離の予防術のほか、未熟児網膜症、糖尿病網膜症などでも広く用いられる治療法です。しかし稀に冷凍凝固における過凝固のために手術を受けたことによって、更に視力が低下してしまうケースもあります。

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強膜バックリング

網膜剥離の手術には様々な方法がありますが、萎縮性円孔網膜剥離の場合は強膜バックリング術が行われることが多いようです。

硝子体手術が広まる前までは弁状裂孔網膜剥離においても強膜バックリング術が行われていました。裂孔によって網膜剥離となった場合に用いられる手術です。

対象となる患者が10代から20代である場合は硝子体手術よりも強膜バックリング手術のほうがより高い効果を期待できるため、患者の年齢によってはあえて硝子体手術を行わずに強膜バックリング手術を行う病院もあります。

一般的にはレーザー光凝固術や冷凍凝固術と並行して行われます。レーザー光凝固術では網膜にすでに剥離が生じた場合には治療が不可能であるため、硝子体手術、もしくは強膜バックリング術のいずれかが選択されて施術されるのです。

強膜バックリング手術とは具体的にはどのような手術かというと、裂孔の外側にプラスチックやシリコン、スポンジを縫い付けて網膜色素上皮と網膜とを凝固させるものです。

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硝子体内気体(ガス)注入術

網膜剥離もしくは黄斑円孔の治療では、硝子体手術において気体(ガス)の注入が行われることがあります。眼の内側(硝子体)にガスを入れることによって網膜を押さえ、穴を塞ぐという効果があります。

術後にうつぶせ寝が指示されるのはこの気体(ガス)が注入されたときです。注入されるガスは特殊なガスで、八フッ化プロパンガスか六フッ化硫黄ガスが選択されます。ケースによってはガスではなく、空気が注入されることもあります。

硝子体に注入された気体の種類によって入院日数(うつぶせ寝の日数)が決まります。八フッ化プロパンガスの場合は4週間程度、六フッ化硫黄ガスの場合は2週間程度、空気だけであった場合は一週間程度です。

硝子体内気体(ガス)注入術では水晶体を除去する場合と除去しない場合があります。いずれが選択されるかは医師によって決められますが、水晶体が残されたケースでは注入された気体が水晶体に接触して白内障を患う危険が伴います。

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硝子体切除術

網膜剥離の手術において硝子体手術というとまず硝子体切除が行われます。

裂孔原性網膜剥離といった一般的な網膜剥離はもちろん、巨大裂孔網膜剥離や増殖性硝子体網膜症、増殖糖尿病網膜症などの難しい眼病であっても、この硝子体切除術が行われます。

逆に通常では網膜裂孔だけで剥離が伴わない場合、レーザー光凝固術などが選択され、硝子体切除は行われません。しかし裂孔が眼底近くにある場合では水晶体切除が行われます。

硝子体切除術では網膜に張り付いている硝子体を切除し、必要に応じて硝子体カッターと呼ばれる器具で硝子体や新生血管、増殖膜などが切除され吸引されます。その後、網膜が復位されます。

硝子体切除はとても大きな手術といわれてきましたが、現在では硝子体切除における切開部分をより小さくすることによって術後により速やかな回復が可能となってきています。また切開部分が少ないことによって、手術後の視力や視野の回復も比較的早くなってきています。

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網膜剥離の施術におけるガスタンポナーデ

ガスタンポナーデとは網膜剥離の手術の中でも特に硝子体内気体注入術などの眼球の中にガス(気体)を注入することを指します。切除された硝子体の中に注入されたガス(気体)は風船のように膨らんで剥離した網膜を抑えるといった効果があります。

通常では硝子体手術の最後に行われ、黄斑円孔ではかなり高い確率で円孔が封鎖されます。

ガスタンポナーデが行われた場合は、剥離が抑えられるまで、もしくは円孔が封鎖されるまではうつぶせ寝が指示されます。このため医療機関によってはガスタンポナーデ術後のうつぶせ寝専用枕が開発されており、患者に支給されることがあるようです。

しかし長期間にわたるうつぶせ寝は患者に大変な負荷をかけるものです。最近では網膜裂孔や裂孔原性網膜剥離の治療における硝子体手術において、長期滞留性ガスタンポナーデを使わず、うつぶせ寝期間が比較的短い日数で済む液空気を用いる研究が進み、症例も数多く出てきています。

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網膜剥離の投薬治療

網膜剥離における治療は手術が主です。術後も数日間の内服薬と数ヶ月の点眼薬が投与されるのみとなります。網膜色素上皮剥離などの場合は循環改善剤などで症状を食い止める措置がとられるケースがあります。

ぶどう膜炎などを併発した場合も投薬治療が行われます。この場合はステロイドなどが用いられます。糖尿病網膜症の初期の段階である単純網膜症においては血管拡張剤や血管強化剤、止血剤、循環改善剤が用いられ、新生血管からの出血を防ぐ措置がとられます。

現在日本において糖尿病網膜症をわずらっている人は大変多いので、手術には至らずとも投薬治療を続けている人は少なくありません。

白内障や緑内障の初期においても同様で、内服薬や点眼によって病気の進行を防ぎつつ、投薬治療の効果を検査で定期的にチェックします。しかし白内障・緑内障ともに投薬治療では視野や視力は回復することはありません。このため多くの病院では投薬治療よりもレーザー治療を勧めるところが多いようです。

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