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日本に靴文化は浸透しなかった

古代から、日本はお隣の中国をお手本として漢字、衣服、仏教など、さまざまな文化を取り入れてきました。でも日本が採用しなかったものが二つだけあると言われています。それは纏足(てんそく)と靴です。纏足とは女性の足が成長しないように布などで強く巻き付けておく習慣ですね。

この辛い風習が輸入されなかったのは日本の女性にとって幸せなことです。同時に、靴を履く文化が普及しなかったのも幸福なことでした。高温多湿の日本、もし靴がもてはやされていたら、あっというまに庶民の間まで水虫が増えたでしょう。

平安時代の資料には水虫らしい記述も残っているそうですから、かなり危ないところだったのです。足のかゆみをガマンしながら歌を詠んでいる小野小町なんて、想像するだけでちょっと悲しい気がしますね。

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戦後の帰還兵と靴文化が水虫の原因

日本人が本格的に水虫に悩むようになったのはほんの60年ほど前。太平洋戦争の頃からのことです。それまで多くの人は草履や下駄を愛用していたのですが、この前後から急速に靴が普及してきました。


また戦地(特に東南アジア)で水虫にかかった兵隊たちが一斉に帰還したのもキッカケといわれています。なにしろ戦争中ですから泥水に漬かりながら何日間も靴を脱がない行軍なんて日常茶飯。水虫にならないほうが不思議な環境です。こうして多くの壮年男性たちが水虫を日本に持ち帰り、知識のない家族にもたちまち感染。そして庶民が靴を履くようになると一気に感染者数を増やしたといわれています。薬もヨードチンキくらいしか使っていなかった時代です。完治する人などほとんど皆無で、水虫にとっては我が世の春‥‥だったんですね。

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水虫は日本だけ?

水虫に悩んでいるのは日本人だけでしょうか。もちろん違います。ヨーロッパでもアメリカでも、もちろんアジアでも水虫は元気に活躍しています。こうした病気の情報はテレビニュースで伝えられるわけでもないし、小説の主人公が水虫に悩んだりもしないので、なかなか実情がわかりません。でも現地でテレビ番組をずーっと見ていたら、水虫薬のコマーシャルが流れたりして「やっぱりそうか」とホッとします。


真偽のほどは不明ですが、世界でいちばん水虫が元気なのは香港だという説があります。高温多湿、しかも靴文化なので信憑性はかなり高いですね。アメリカでも悩んでいる人は多いようで、けっこう水虫薬の宣伝が目につきます。


ちなみに英語では水虫をアスリーツ・フットと言うそうです。運動選手の足。なるほど、たしかにスポーツ選手には水虫が多そうですね。

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