色覚異常について
-Mokuji-
色覚異常とは?
色覚異常とは、視細胞の機能によって色が識別しにくい状態のことをいいます。色覚の異常には先天性のものと後天性のものとがありますが、その大多数は先天的なものから来ており、現在においても治療法は見つかっていません。
また、色覚異常が起こる頻度は少なくなく、現在では日本人男性の5%、日本人女性の0.2%が色覚の異常を感じており、国内では300万人以上が該当します。
指摘されるまで気づかない人もいれば、日常生活に支障を感じるという人まで症状は様々ですが、色覚の異常のみでハンディキャップになるとは考えられていません。
以前は身体検査で色覚異常の検査を行っていましたが、平成15年からはそういった制度はなくなりました。
色覚の仕組み
色を感じる仕組みですが、網膜には光を受け取る視細胞と呼ばれる細胞が並んでいます。その中にある錐体細胞が長波長である赤い光、中波長である緑色の光、短波長である青色の光をそれぞれ感じ取ります。
その錐体細胞にある赤錐体、緑錐体、青錐体の3種の細胞によって、眼の中に入ってくる光が受け取られて光は情報となって視神経を通って大脳へ運ばれます。大脳ではこの3つの情報が組み合わさり脳内で無数の色を感じることができるのです。
よく目の仕組みはカメラにたとえられますが、網膜はフィルム、大脳は画像を映し出すコンピューター、そして視神経はこの二つをつなぐコードのようなものといえるでしょう。
色覚異常者の割合
色覚異常者の数は、現在では300万人以上いるといわれています。しかし、平成15年以降は、色覚異常についての強制検査がなくなりましたので、正確な数字は把握できなくなりました。
なかでも男性の色覚異常者の割合が女性よりも高く、日本人男性の約5%がこの色覚異常に該当するといわれています。また、日本人女性では0.2%が該当します。
これは、伴性劣性遺伝という性に関係する遺伝によるもので、女性は色覚異常が発病しないこともあるのです。その場合には女性は保因者ということになるのですが、両親のどちらかが色覚異常もしくは保因者であれば、ほとんどの割合で色覚異常が遺伝してしまうためです。
色覚異常の分類
色覚異常にはいくつかの種類があり、一般的には赤緑色覚異常といわれています。灰色と赤の区別がしにくいものを第1色覚異常、灰色と緑の区別がしにくいものを第2色覚異常といい、この他に青と黄を混同してしまう青黄異常の第3色覚異常があります。
また、色の区別がしにくい程度により1色型色覚、2色型色覚、異常3色型色覚に分けられ、1色型色覚は、いわゆる全色盲といわれ、色に対する感覚がまったくなく、モノクロ写真のように全てが灰色に見えてしまいます。
2色型色覚は、3色のうち1色が全く区別できないもので、色盲といわれています。異常3色型色覚は色弱といわれている細かい色の区別ができない程度のことです。
色盲と色弱の違い
もともと色覚異常がある人に対して色盲と呼ぶこと自体が間違いで、色覚異常にはいろいろな分類があるのです。
まず、色盲とは2色型色覚といわれるもので、赤、緑、青の3色のうち1色が全く区別できない状態をいいます。全く識別できない色が何色かによって分類も細かく決まっており、赤が区別できなければ第1色盲、緑であれば第2色盲、青であれば第3色盲と分類します。
つぎに色弱は異常3色型色覚と呼ばれており、いずれの色も感じることはできるのですが、感じ方が一般の人とは違う状態をいいます。分類は2色型色覚と同様に、赤の判断がしにくければ第1色弱、緑であれば第2色弱、青であれば第3色弱と分類されます。
色覚異常の発生について
色覚異常には、先天性のものと後天性のものとがあり、先天性のものの方が頻度は高く、遺伝によって発症します。
現在日本において300万人以上の色覚異常者がいるといわれていますが、ほとんどのケースにおいて先天性の遺伝によるものだと考えられています。とくに遺伝子の性の特性から男性が発症する頻度が高く、女性は発症する人と保因者とに分かれ、現在日本人女性の10人に一人は色覚異常の保因者であるともいわれています。
その女性が出産した際にも、その子供は色覚異常もしくは色覚異常保因者となる可能性があります。また、後天性の色覚異常は何かしらの病気の弊害であることが多く、視覚系の障害によって生じます。
色覚異常の症状
色覚異常の症状は、日常生活においてあまり不自由は感じません。検査などの結果、指摘を受けて自分が色覚異常だと知る人もいるくらいです。
しかし、色覚異常者にとって識別しにくい色のくみあわせや、誤認しやすい条件が存在します。色覚異常者が識別しにくいとされている色の組み合わせは赤と緑、緑と茶色、オレンジと黄色、青と紫、緑と灰色、ピンクと灰色などで、第1色盲では赤と黒、ピンクと青などの組み合わせが挙げられます。
また、色を誤認しやすい条件としては、色覚異常の程度が強ければ強いほど誤認する機会は増えますが、それ以外にも対象となる物が小さかったり、照明が暗い時、瞬時に判断しなければならない時などが当てはまります。
色覚異常の治療について
色覚異常の治療法については、先天性のものであれば残念ながら現在のところ治療法はありません。色覚異常の原因が遺伝子によるもののため、色覚異常の遺伝子を正常化する以外には方法はないのです。また、色覚異常が治るといった情報が伝えられたこともありましたが、医学的には難しいことが分かっています。
しかし、治療が不可能であっても、色を識別しやすくなるといった補助的な眼鏡などは開発されており、色識別補助眼鏡と呼ばれています。
色覚異常の原因が後天性の何らかの病気の弊害として、視神経に障害が生じたのであれば、その原因となった病気の治療をすることで色覚異常が改善することもあります。
色職別補助眼鏡とは
色識別補助眼鏡とは、その眼鏡をかけることで色の識別がしやすくなるという眼鏡です。近視や遠視を矯正するのとは違って、色の見え方や感じ方には個人差があり数値化できないため、色盲や色弱を矯正することはできないのです。
この色識別補助眼鏡は、そういった色盲、色弱自体を補正するものではなく、色の識別を補助するための眼鏡として作られています。
この眼鏡を使用すると、特定の色を識別しやすくなる反面、特定の色以外の色の識別がしにくくなるといった声も聞かれます。これは、眼鏡をかけることによって色相を判別するのではなく、色と色の間に明るさが生じることによって判別しやすくなるといったものですので、一般の人の色の見え方、感じ方とは異なります。
色覚異常と遺伝の関係性
現在300万人以上いるといわれている色覚異常者の大半が、先天性の遺伝によるものであると考えられています。
色覚異常は伴性劣性遺伝という性に関係のある遺伝で、通常は男性XY染色体、女性XX染色体からなるこのX染色体を通じて遺伝します。
男性の場合はその染色体に色覚異常の遺伝子があれば発病します。女性の場合にはX染色体が2つありますので、その両方に色覚異常の遺伝子がある場合のみ発病し、片方のみ色覚異常の遺伝子があった場合には発病はしませんが保因者となります。
したがって色覚異常者には男性の方が多く、男性の約5%、女性は0.2%の割合で発病が確認されています。ただし、女性の10人に一人が保因者であるといわれています。
色視症とは?
色視症とは、色がついていないものが色づいて見えるというものです。これは非常にまれな病気ですが、目の手術の後など特定できる原因以外には、心理的な要因に基づくことが多いと考えられています。
心理的要因としては、ヒステリーや神経の衰弱、薬物やアルコール類の中毒などで、それ以外にも中心性網脈絡膜炎などの眼疾患の時や、眼内レンズを使用した時、水晶体を摘出した後の数日間に色視症を訴えることがあります。
特に心理的要因の強いものは、原因を治療、解決することで色視症も治ることが多いのですが、詳しいことは分かっていません。また、色視症には赤、青、黄、緑視症があり、原因によって見える色が違ってきます。
