椎間板ヘルニアの治療として行われる保存療法とは、医療機関で行われる手術以外の治療のことをいいます。 具体的に言えば、薬物療法や物理療法、運動療法、装具療法などで、椎間板ヘルニアだけではなく、全ての腰痛に対して、このような保存療法を行って経過を見るのが一般的です。
保存療法は薬物療法以外は理学療法士が行うのが一般的で、整骨院等でも受けることができます。保存療法は長期間に渡る治療になりますので、どこで治療を受けるかが大変重要なことになってきます。
保存療法を受ける時は、医師の診断に従って、その人の症状に合った治療が行わなければなりません。良い理学療法士などに巡り会えることが、椎間板ヘルニアの完治に繋がりますので、慎重に選ぶようにしましょう。
椎間板ヘルニアの保存療法の一つである薬物療法は医療機関のみで行われる治療法です。 椎間板ヘルニアは緊急を要する症状がある場合以外は手術は行われません。
しかし、椎間板ヘルニアの発症時は激しい痛みが起こるため、中にはどうしても我慢できない人もおり、そのような場合に薬物療法が行われます。 薬物療法として一般的に使われるのは消炎鎮痛剤の飲み薬で、痛み止めと炎症止めを目的とした治療になりますが、胃腸が弱い人のために、消炎鎮痛剤を座薬で処方される場合もあります。
このような薬物療法で痛みや炎症が改善されない場合、硬膜外腔ブロック注射を行います。ブロック注射は即効性があるのが特徴で、ほとんどの場合数回の注射で症状が改善されるようです。
椎間板療法の保存療法としえ行われる物理療法とは、物理的な刺激を体に与えて治療をすることをいい、牽引、温度、電気、徒手など様々な療法がとられます。 牽引療法は、機械で腰椎を引っ張って筋肉の緊張をほぐしたり、腰の湾曲を減らしたりします。
腰の湾曲が減少すると、ヘルニアもそれに合わせて引っ込むので、坐骨神経痛の改善に効果があります。 温度療法は患部を温めたり冷やしたりして、温度による刺激を体に与えます。一般的に椎間板ヘルニアの発症時には患部が炎症しているので冷やす治療が行われ、痛みが治まると温める治療が行われます。
また、電気治療は電気で神経を抑制して痛みを抑えたり、超音波で体に細かい振動を与え、マッサージ効果や体を温める効果を狙います。 そして徒手療法は、マッサージや指圧など、人の手で体に刺激を与える治療方法で、民間の治療院などでも受けることができます。しかし、厚生労働省の認可を受けずに治療をしている治療院もありますので注意が必要です。
椎間板ヘルニアの治療には補助装具を用いる装具療法もよく行われます。 装具療法に使われる補助装具には主に腰痛コルセットが使用されますが、腰痛コルセットにはプラスチック製や布製などがあり、硬いものから柔らかいものまで様々なものがあります。
プラスチックなどでできた硬い腰痛コルセットは、使い心地があまり良くないので、腰椎がひどく不安定な時以外はあまり使われておらず、一般的に利用されているのは布などでできた柔らかい腰痛コルセットで、椎間板ヘルニアの他にもきっくり腰などのように強い痛みが起こる腰痛の治療にも使われています。
腰痛コルセットを装着すると、腰痛があっても楽に体を動かせるようになりますが、あまり長期間頼りすぎると、腹筋や背筋が弱くなってしまい、運動機能を回復させることが困難になってきますので、腰痛コルセットの着用は最小限に抑えるようにしましょう。
椎間板ヘルニアは背骨や骨盤の歪みが原因で起こることも多い病気です。そのようなことが原因で椎間板ヘルニアを発症した人に対しては、運動療法を行って、根本的な問題を解決します。
運動療法で治療を行うのは姿勢の矯正が主で、側湾の人や腰が仰け反っている人などが対象になります。 また、歩いているときや様々な動作においても異常が見られる場合も運動療法が行われます。
これは、腹筋と背筋のバランスが取れていなかったり、柔軟性に欠けていることが原因で起こりますが、そのままにしておくと腰に大きな負担をかけることになりますので治しておく必要があります。 このような悪い姿勢は椎間板ヘルニアの再発を招く原因にもなります。運動療法をきちんと実行して、椎間板ヘルニアの再発を極力抑えるようにしましょう。