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白内障の手術とは

一度濁った水晶体を元に戻すことは出来ませんが、手術によって水晶体を摘出し、代わりに眼内レンズを入れれば、視力を回復することはできます。水晶体の摘出方法は、のう外摘出術とのう内摘出術に大別できます。

のう外摘出術は、白目と黒目の境の部分を弧状に大きく切開して、水晶体全体を包んでいる薄い膜ののうに孔をあけ、水晶体の内容物を摘出し、のうの後ろ半分は眼球内に残す方法です。この方法は、従来ののう外摘出術よりも切開が小さくてすみ、より安全なため、白内障の手術の主流になってきていますが、白内障が進行して水晶体が硬くなっているときには従来の方法の適応となります。

のう内摘出術は、水晶体を固定する組織が損傷しているといった特別のケースに対して行われており、濁った水晶体をのうごと摘出する方法です。

眼内レンズ(人工水晶体)の挿入について

水晶体の摘出手術の後は、水晶体の代わりに目のピント合わせの役目をする眼内レンズを挿入します。眼内レンズが開発される以前は、手術後には眼鏡やコンタクトレンズが使われていましたが、今はほとんどの場合、より裸眼に近い状態で物を見ることができる眼内レンズが使用されます。

レンズの材質の主流は、生体になじみやすい性質のポリメチルメタクリレートというプラスチックで、ハードコンタクトレンズと同じ種類のものです。レンズの部分の直径は5~7mmで、レンズの上下には眼球内で固定するためのループがついています。

この眼内レンズを用いる場合、挿入するために5~7mmの切開が必要です。最近、シリコンやアクリル樹脂などを素材とした折り曲げ可能なソフト眼内レンズが普及し、3mm程度の切開ですむようになって、リスクが軽減しました。

超音波水晶体乳化吸引術やのう外摘出術によって水晶体を摘出した時は、のう内固定という、のうの中にレンズを入れる方法がとられます。摘出術から時間がたち、前ののうと後のうが張り付いてレンズが入れられない場合は、毛様体と虹彩の間の溝にレンズを固定する毛様溝固定という方法がとられることもあります。

手術時期

白内障の時期やタイミングというのは、人それぞれですし、かかりつけの眼科医に相談して決めるのが一番ですが、急激な視力低下で何度もメガネを作り変えなければならない時や、異常なまでにまぶしさを感じるときなど、日常生活に不自由を感じた時は、早めに手術を行った方が良いと思われます。

また、車の免許の更新時期が迫っているなどの理由がある場合でも専門の眼科医に相談することをお勧めします。糖尿病を併発している人の場合の手術の時期を早めた方がよい場合や、緑内障の方で白内障の手術を同時にした方が体に負担がかからない場合などがあるので、定期検査で正確なタイミングで望みましょう。

所要時間と金額

手術時には局所麻酔が行われるので、手術中に痛みを感じることはありません。麻酔は目の周囲の皮膚から注射する方法や、点眼薬で痛みを感じなくした後に目の表面に直接、麻酔薬を注入するほか、点眼薬のみで行うこともあります。

手術は麻酔や消毒といった準備の時間を入れても30分~1時間で終わります。入院期間は3日~1週間ほどです。最近では、入院の必要のない日帰り手術を行う病院も増えてきました。費用ですが、白内障手術も眼内レンズ挿入も保険適応となります。

症状の程度によって治療内容や投薬内容がかわりますので、多少前後する場合がありますが、金額は手術当日の検査、投薬等を含めたおおよその目安で約3万~5万(3割負担の場合)で、別途入院費などがかかります。

手術後の症状

手術後、特別な安静は必要ありません。眼帯は手術の翌日には取れ、入浴や歯磨きは手術翌日から、洗顔や洗髪は1~2週間目以降に行うようにします。

なお、手術後は、目を強く押さえるなどの行為は避け、目をぶつけたりしないように注意します。一般に、手術の翌日には視力が回復しますが、角膜にむくみを生じたり、目の中に炎症を起こして回復が遅れることもありますが、多くの場合1~2週間のうちに視力は戻ってきます。

1ヶ月以内に視力が回復しない場合には、目に何らかの異常が生じている可能性があります。異常の有無を調べるためにも、退院後1週間目には必ず受診してください。

その後3ヶ月間は1ヶ月毎に、次いで3ヵ月後、6ヵ月後と通院の間隔を広げながら、2年間は定期的に受診することが大切です。

手術後の合併症

合併症手術後の合併症の可能性は、極めてまれですが、チン氏帯断裂といって水晶体やその周囲が予想以上に弱く破損したり断裂し、どうしても眼内レンズを挿入できないことがあります。

また、個人差がありますが、どんな手術であっても予想できない脳梗塞・心筋梗塞等 を起こす可能性があります。また、術後眼内炎といって、手術中または手術後に傷口から細菌が入り込んで、眼球内が化膿する場合があります。

このケースでは、視力がかなり低下することもありますので早期治療が重要です。他にも駆逐性出血といって、手術の最中に突然眼球内に出血することがあり、原因は血圧の上昇等が誘因といわれていますが、不明で予測が困難です。この出血を止めることは難しく、最悪の場合はかなり視力が低下します。

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