眼科検査について
-Mokuji-
シルマー試験
シルマー試験は、涙液の分泌量を測定することで、涙腺の機能を具合を診断するものです。
シルマー試験では試験紙を左右のまぶたにはさみ込んで、数分間そのままの状態で、分泌する涙液を試験紙で受け止めて、試験紙の上に垂れた涙液の濡れた部分の長さを測ると言った、単純な検査です。
試験紙には、あらかじめ目盛りが刻まれていて、涙液で濡れると色が変わるようになっていて、左右目の区別もあって、涙液の長さが直ぐに分かるようになっています。
シルマー試験は涙腺の分泌機能を診断するには、簡単な試験のわりに、涙液の分泌量が一目瞭然で、時間もかかりませんから、どこの眼科医医院でも行なわれる、ドライアイの検査の一般的な試験と言えます。
10 mm以上が正常で、5 mm以下が異常とされています。
綿糸法
綿糸法はシルマー試験と同じような試験方法ですが、試験紙の代わりに綿糸を使うものです。
綿糸を使って涙腺から分泌される涙液の量を測定するもので、検査専用の綿糸を、両目の瞼に、目を閉じてはさみ、分泌される涙液を測りますが、シルマー法が涙液の全体の分泌量を単純に測るのに対して、綿糸法は目の表面にある涙液の量を測ると言った違いがあります。
実際のドライアイで問題となるのは、涙液が分泌される量が多くても、角膜を涙液が覆っている量が問題になるので、シルマー法より綿糸法のほうがドライアイに症状を診断する場合には、役に立つと言えます。
綿糸法に要する時間は20秒程度で、シルマー法よりも更に短く、使用される綿糸は濡れると変色する色素が含有されているもので、まぶたにはさんで、綿糸の変色した部分で涙液量を測るものです。
涙膜破壊時間(BUT検査)
涙膜破壊時間(BUT)は、まばたきをして涙液が角膜を覆って、はじけるまでの時間を意味します。
涙液の角膜上での保持力と安定性を診断する方法ですが、涙液の成分、特に油層などに問題がある場合には、有効な検査方法と言えます。
また涙液に異常だけでなく、角膜の異常も考えられますので、シルマー試験や綿糸法などの涙液の量的検査に対して、涙液の質的検査と言う事が出来ます。
一般的にはBUTの正常な場合は20秒以上、5-10秒以下では異状とされます。
涙液は「油層」「涙液層」「ムチン層」の3層から構成されていますから、いずれかの涙液層で異状がある場合、BUTは短くなり、正常な涙液の機能を果たさなくなり、ドライアイの症状をきたす事になり、更に精密な検査が必要になってきます。
顕微鏡検査
涙膜破壊時間のBUT検査やシルマー検査・綿糸法による検査などで異状が発見された場合は、より精密な検査として、顕微鏡検査が行われます。
顕微鏡検査は、角結膜上皮を顕微鏡で観察する検査方法ですが、角膜とまぶたの間にたまる涙の量(涙液メニスカス)を観察するもので、ドライアイの人の場合は、その量が少なくなっています。
角結膜上皮も他の上皮同様、新陳代謝で入れ替わりますが、ドライアイの場合は、古い上皮が涙液によって洗い流されず、デブリス(細胞残 屑)と言う状態で、残っている場合が多く、それらの症状がある場合、大抵はドライアイと診断されます。
ただし顕微鏡検査で分かる範囲は、ドライアイの症状までで、涙腺がデブリスなどで詰まっている場合には、有効な検査ですが、角膜などの障害による異常までは、特定できません。
角結膜の生体染色検査
角結膜の生体染色検査は、ドライアイの原因となる角結膜の傷害を診断するのに用いられる検査方法です。
角結膜の傷害の有無は、普通生体染色をして、角結膜の傷害部分を特定しなければ、顕微鏡検査でも観察することは出来ません。
一般的に生体染色検査で用いられる色素には、蛍光色素の一種であるフルオレセインと生体試料などを赤色に着色するローズベンガルがあります。
これらの色素を点眼して、細隙灯(さいげきとう)と呼ばれる顕微鏡鏡を使って、観察が行なわれます。
フルオレセインは角膜上皮の欠損部分を染色し、ローズベンガルはムチンの欠損部分を染色します。
これらの染色部分を観察する事により、ドライアイの進行具合が明確になり、適切な診断が下されます。
