涙とドライアイの基礎
-Mokuji-
オキュラーサーフェスとは
オキュラーサーフェスとは眼表面の事を意味します。
オキュラーサーフェスは角膜上皮、結膜上皮、輪部上皮から構成されていて、角結膜上皮と涙液は、眼の表面を保護しています。
角結膜上皮がドライアイなどで涙液がなくなり、保護されない状態が長く続けば、感染や、角膜が融けたりする重篤な合併症が起こりやすくなります。
角結膜上皮に問題がある場合、周辺の幹細胞と言われる細胞が増殖して傷ついた部分を修復されますが、重症ドライアイや瘢痕性角結膜症などの場合、修復出来ないまま症状が進行してしまいます。
幹細胞は角膜と結膜の境界部である輪部と呼ばれところで作られますが、この幹細胞が正常に生成される事によって、オキュラーサーフェスが正常に保たれ、ドライアイなどになることを防ぎます。
涙の役割
涙は3層で構成されています。
全体の厚さは僅か7ミクロンと言われていて、外側から「油層」、「涙液層」、「ムチン層」とあります。
「油層」は睫毛の部分にあるマイボーム腺と言うところから分泌され、涙全体の蒸発を防止しています。
「涙液層」は、涙の大部分を占める主成分とも言うべきもので、タンパク質、酸素、脂質などから構成されていて、眼を保護すると同時に栄養も供給してます。
「ムチン層」は、結膜の細胞から分泌され、角膜全体に「涙液層」が満遍なく覆うようにする、言わば潤滑剤の役目を果たしています。
涙が常に目の表面を覆っていないと、保護膜としての涙液がないために、角結膜上皮が外気に直接さらされるます。
その結果眼は細菌などに犯されて、傷つけられる事になります。
そればかりか、栄養も行き渡らず患部の症状を悪化させていきます。
涙の分泌
涙の分泌される場合は、角膜保護のために常に眼の表面を潤すために分泌されている基礎分泌と、感情の高ぶりなどで流す涙を反射分泌と言います。
涙液は上まぶたの外側にある主涙腺と呼ばれる器官を通して分泌されます。
まぶたの上下にあるマイボーム腺という器官から油層は分泌され、結膜の上皮からムチン層が分泌されています。
涙液の構成する物質は血液とほぼ同じで、その意味では眼の表面の栄養補給のための血液的な役目があると言えるでしょう。
涙液は眼の表面を保護するために各器官からその構成する涙液を分泌されますが、出しっぱなしではなく、余った涙液は涙点という排出口から鼻を通って口腔へ排出されます。
大泣きしたときに、鼻から鼻水が出る事がありますが、鼻水ではなく涙です。
ドライアイとは
ドライアイとは、その名前の通り目が乾く状態を言いますが、涙液が正常に分泌されないことが原因と言えます。
ただ単に涙液が分泌されないと言っても、涙液は油層、涙液層、ムチン層で構成され、オキュラーサーフェスと言われる角膜上皮、結膜上皮、輪部上皮などの組織が各涙液層の分泌に深い関わりを持っています。
涙液層が涙の本体であっても、油層が正常に分泌していないと、折角の涙液層は蒸発してしまいますし、ムチン層が分泌異状であれば、涙液層が角膜全体を覆うことも出来ません。
このような部分的な分泌異状があっても、ドライアイになります。
実際涙の膜は7ミクロンしかなく、生活習慣、病気や加齢によって、簡単にドライアイになると言えます。
ドライアイになると、眼の保護と栄養補給を行なっている涙液が正常に眼の表面組織に行き渡らないために、機能障害や感染症を起こすことになります。
ドライアイと感染症
ドライアイになると、目の表面は無防備の状態になるため、角膜を傷つける危険性があります。
角膜が傷ついた状態で、尚且つドライアイである場合、外部からの細菌や病原菌に対して無防備であるばかりか、浸入しやすい状態になり、感染症を引き起こします。
また花粉などにも無防備であるため、花粉症になりやすくなり一層ドライアイの症状を悪化させ、余病を併発する事になります。
一般的なドライアイの症状は、ほとんど軽度のものが多いのですが、感染症を伴うことで重篤な事態を招いてしまうケースがあり、ドライアイになったと思ったら、適切な治療を行なわないと取り返しのつかないことになります。
ドライアイによって起こる眼の感染症は角膜感染症と言われるものがほとんどですが、初期の症状はドライアイと変わらず、感染症に掛ったことを自覚することは難しいでしょう。
自覚するようになった場合は、既に相当症状が進行している状態です。
原因菌は細菌、カビなどの真菌、角膜ヘルペスなどのウィルスがあります。
